羽子板・破魔弓のよくある質問

質問

回答

Q1. 羽子板の由来は?
A1.室町時代以前に中国から伝わった魔除けの玉打ちがそのルーツと考えられています。古くは羽根つきを「胡鬼(こき)の子勝負」といい、新年の年占いとして、末広がりの形をした胡鬼板(羽子板)で胡鬼の子(羽根)を突き、その年の平安を祈願したといわれます。
やがて、羽根つきは単なるお正月の遊びとなりましたが、それに用いる羽子板はなお古来の魔除けの力を持つ縁起物として、室内装飾や贈答にも用いられるようになったのです。
ちなみに羽子板に歌舞伎役者などの美しい押絵細工を施すようになったのは江戸時代後期からです。
Q2. 破魔弓の由来は?
A2.刀とともに古くより用いられてきた武器である弓矢は、その威力から災いを払い除くものと信じられ、お正月の年占いとして、「ハマ」と呼ぶ的を射る風習がありました。
江戸時代以降、このハマに魔を破る意味から「破魔」の字をあて、さらに小型にした飾りものの弓矢を破魔弓と呼び、縁起物として室内装飾や贈答にも用いるようになったのです。
現在、各地の神社で初詣の際に授与される破魔矢とよく似た性質のものですが、破魔弓は弓が主体になっている点に特徴があります。
Q3. なぜお正月に飾るのですか?
A3.羽子板を用いる羽根つきも、破魔弓のもととなった「ハマ」を射る風習も、ともに古来お正月に行われたものであり、新たな年の始まりに、その一年の多幸を祈るという日本人の心情に由来しているのです。
もちろん、縁起物ですからお正月以外の時期に飾っても全く問題はありませんし、お子様の健やかな成長を祈念して、雛人形とともに羽子板を飾ったり、五月人形とともに破魔弓を飾ったりするのもよいでしょう。
Q4. なぜ女の子に羽子板・男の子には破魔弓を贈るのですか?
A4.古くより羽根つきが主として女の子の遊びであったこと、また弓矢の勇ましさが主として男の子に喜ばれたことに起因すると考えられます。江戸時代前期(1600年代後半)にはすでに、お正月に女の子には羽子板を、男の子には破魔弓を贈る風習があったことが文献からも確認できます。
Q5. 羽子板・破魔弓は誰が買うの?
A5.特に決まりはありませんが、赤ちゃんの初正月(生まれて初めて迎えるお正月)のお祝いとして贈る場合には、祖父母や親戚、両親の知己などから贈ることが多いようです。
Q6. 羽子板・破魔弓の選び方は?
A6.まずおよその予算と飾る場所(和室か洋室か、スペースなど)を決めたうえで、お好みの色合い、顔立ち、素材の良さ、細工の丁寧さなどに気を付けて選ばれるとよいでしょう。
Q7. 羽子板のお顔の右向き、左向きに何か意味はありますか?
A7.お顔の向きは人物の構図によっておのずと異なるため、特にそれ以上の意味はありません。
Q8. 羽子板・破魔弓を飾る場所の決まりはありますか?
A8.飾る場所や方位などの決まりは全くありませんので、それぞれお好みで選ばれたらよいでしょう。
Q9. 羽子板・破魔弓はいつから飾るのでしょうか?
A9.特に決まりはありません。新年を迎えるお支度のなかで飾っても、お正月に一年の多幸を願って飾ってもよいのです。
有名な東京の浅草寺の羽子板市(歳の市)が毎年12月17・18・19日であることからもお分かりのように、古くは12月中旬くらいに買い求めて、年末あるいは年始の御挨拶かたがた羽子板や破魔弓を贈ることも多かったようです。
また、しまう日も決まりはありませんが、かつては正月15日頃の「どんど焼き」の際にしめ飾りなどとともに羽根つきで壊れた羽子板も焼く風習がありましたので、その頃にしまうのもよいでしょう。

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