絆(きずな)2020年版・第20号 その4
万結の初節句
神奈川県横浜市
鈴木 万結(すずき まゆ)ちゃん
(平成三十年 九月二十一日生)
二〇一八年九月、我が家に「万結」が誕生しました。退院当初は体重がなかなか増えずにとても悩んだものですが、月日が経つのは本当に早く、あっという間に初節句の季節になりました。雛人形にはお守りとして、よろずのものやことが実を結ぶ季節に生まれた「万結」の成長をずっと見守ってほしいと思っていました。私の両親に相談すると、母と叔母が様々な人形屋さんを回り、吉德の雛人形を選んでくれました。選んでくれた理由は、お雛様のお顔が娘に似ていたから、だそうです。
早速届いた雛人形を飾ってみると、女雛の上品な顔立ちや、男雛の鮮やかな衣裳が印象的でした。男雛の衣裳は天皇陛下御即位の際にお召しになる黄櫨染御袍を再現しているそうで、この先も時代の移り変わりを思い起こす雛人形となりそうです。
雛祭当日は、娘を囲んで賑やかに食事会を行いました。夫の両親は遠方で参加が難しかったため、帰省の際に写真で報告する予定です。
万結は、来年の雛祭には歩けるようになり、話すことができるようになっているでしょうか。来年は一緒に飾り付けができたら嬉しいです。娘の健やかな成長を願っています。
(母・鈴木 姿子 記)
柚ちゃんの初節句
東京都江戸川区
高野 柚(たかの ゆず)ちゃん
(平成三十年 十二月三十日生)
出産予定日だった一月二十日。私の両親と浅草橋の吉德さんへお雛様を買いに行きました。予定日が一月のため、初節句は来年にするか悩んでいました。が、予定日よりも三週早く生まれた柚ちゃん。無事お雛様を買いに行くことができました。
三人官女までいるお雛様が欲しいと思い、パンフレットを見てからお店を訪ねたものの、沢山並んだお雛様にどれがよいか悩んでしまいました。お顔もお人形ごとに異なっており、衣裳も飾りもすべて気に入るものをどうやって探そうかと思っていたところ、店員さんに「他のお店もぜひ見てきてください。絶対吉德に戻って来られますから」と言われました。一番気になっていた商品を取り置きしてもらい、他のお店を見に行きました。そうしたら、吉德さんのお人形の良さが改めて分かり、「やっぱり取り置きしておいてもらったこのお雛様がいい」と皆の意見が合い、両親に買ってもらいました。
家に届いて飾る際、息子も夫も喜び、私もこのお雛様にして本当によかったと思いました。あの店員さんの意外なひとことにより、気に入ったお雛様と素敵な初節句を迎えることができました。これからも毎年、家族で楽しく大切に飾っていこうと思います。
(母・高野 麻美 記)
素敵な鎧兜に見守られ
東京都八王子市
染谷 青之介(そめや せいのすけ)くん
(平成三十年 七月二十三日生)
私達夫婦の許に息子がうまれてきてくれたのは平成三十年七月二十三日。とても暑い晴れた青空の日でした。様々な意味を含め、空や海のように広い心を持ってほしいと心を込めて夫婦で考えていた青之介という名にふさわしい日に誕生してくれました。
息子は名前を受け継いだ夫のように広く優しい心を持っているのか、親思いであまり手がかからず沢山の幸せを私達家族にもたらしてくれています。
とても可愛く愛おしい我が子を、同じように大切にしてくれる私達夫婦の両親。
初節句を楽しみにしてくれていたのも祖父母達でした。一生ものの五月人形を探す為に夫婦でまず伺ったのが八王子の吉德さん。具体的なイメージがなかった私達に明るい店員さんがそれぞれの人形の意味やそのメリットなどを丁寧に教えてくれました。そこで意味を聞いたことから、心も体も守ってくれる鎧兜がいいと夫から話があり、鎧兜を探すことになりました。候補をみつけようと、他社や量販店の商品なども見ましたが、吉德さん直営店の品物の質と存在が忘れられず最初に下見した候補の中から八王子店限定という鎧兜を購入しました。家の雰囲気にも合う優しい色合いと丁寧な刺繍、鏡のように兜の後ろ側も見える屏風もとても良く祖父母からも好評でした。初節句はみんなで楽しくお祝いできました。
これから毎年鎧兜を飾り息子の成長を感じられることがとても楽しみです。
(母・染谷 弥幸 記)
楓人の健やかな成長を願って
東京都江東区
細渕 楓人 (ほそぶち かえと)くん
(平成三十年 十月十二日生)
平成三十年十月十二日、予定日ぴったりに大きな産声をあげ、産まれてきました。実り多く、彩りの多い人生を歩んでほしいという願いから秋らしい名の楓人(かえと)と名付けました。兜は早めに、浅草橋本店の吉德さんに見に行こうと義理の父が誘ってくれ、二月に皆で見に行きました。他のお店ではまだまだお雛様が多い中、吉德さんにはたくさんの兜が並んでいました。兜の知識があまりなく、こだわりもなかった私でしたが店員さんが丁寧に説明してくださり主人も私も大満足な兜に出会えました。伊達政宗の着用兜です。屏風、収納箱に描かれた竹の絵がとても素敵です。
初節句の日は、兜を飾り、主人の誕生日も近いことから、お祝い事が重なりにぎやかな日となりました。これからも毎年、楓人の健やかな成長を願って、素敵な兜を贈ってくれた義理の父に感謝し心を込めて兜を飾り続けたいと思います。兜選びから、初節句に関わって下さった方々、ありがとうございました。
(母・細渕 愛子 記)