五月人形を飾る場所と飾り方について
毎年欠かさず飾っていても、一度しまってしまうと飾り方を忘れてしまいがちな五月人形。何をどう飾るか、家や地域によって異なる場合もありますが、基本的な手順はとてもシンプル。年に1回、家族揃って子供の成長ぶりを感じながら飾ってみてはいかがでしょうか。ここでは、五月人形の飾り方とその手順について紹介します。
五月人形を飾る場所を決める際のポイント
五月人形は家の中で最も格式の高い場所とされる「床の間」に飾るのが昔ながらの風習ですが、アパートやマンションでは床の間がないご家庭も少なくありません。そのようなときでも飾る場所を決める際には、押さえておきたいポイントがあります。
直射日光、空調が当たらない場所を選ぶ
五月人形は、直射日光あるいは空調の風が当たると、色あせや変色が起きやすくなってしまいます。また、湿気に弱くカビが生えやすいため、台所・浴室などの水回りや玄関は避け、掃除がしやすく風通しのよい場所に飾ることが大切です。
ご家族全員が集まる場所を選ぶ
マンションやアパートに住んでいて「床の間」がないような場合には、「子供の成長を見守ってもらえる場所」として、ご家族全員が集まるリビングなどを選んで飾るようにしましょう。
五月人形を飾る方角について
五月人形を飾る方角について特別な決まりはありません。北向きに飾るのは縁起が悪いなどと、飾る向きを気にする方もいらっしゃいますが、どちらを向くとよい・悪いと言うルールやしきたりはなく、どのご家庭でも自由な方角に飾ることができます。
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五月人形の基本・鎧飾りの飾り方(組み立て方)
豪華で見栄えのよい鎧飾り。飾りが大きいため出し入れに少々手間がかかりますが、以下に紹介する手順通り飾れば、初めての方でも簡単に完成させることができます。
1. 櫃(ひつ)の前面に佩楯(はいたて)をたらす
まずは、五月人形が入っている箱・櫃(ひつ)の中から、鎧や鎧を支えるための芯木(しんぎ)、付属具である佩楯(はいたて)などを取り出します。そして取り出した佩楯は、櫃の前面にたらします。このとき、佩楯の上部の帯の両端を櫃の中に入れ、挟み込んだ状態で上から蓋をして押さえます。下半身にあたる佩楯の位置は全体のバランスを整えるために大切で、後から調整できないためここでしっかりと左右対称に整えておきましょう。続いて、櫃の上に芯木(しんぎ)をバランスよく乗せ、鎧を着せます。鎧の前後、左右の腕の曲がり具合などに注意して、形を整えましょう。
2.面頬(めんぽお)を芯木の上部にかけてつるす
顔面部分にあたる面頬(めんぽお)を芯木の上部にかけて、つるします。このとき、面頬の位置が鎧の上にちょうどよく収まるように紐の長さを調節します。
3. 兜に鍬形(くわがた)、竜頭(りゅうず)を差込み、芯木の上にかぶせる
兜に前立物の鍬形(くわがた)、竜頭(りゅうず)を差込み、芯木の上にかぶせます。種類によっては、鍬形のみで、竜頭がない場合もあります。形の左右を間違えないよう、完成形を確認しながらバランスよく飾りましょう。
4. 毛履(けぐつ)に脛当(すねあて)を差込む
靴にあたる毛履(けぐつ)に脛当(すねあて)を差込み、櫃の前に並べます。左右を間違えないようにしましょう。
5. 全体のバランスを整える
左右に傾いたりしないように全体のバランスを整えます。お腹の部分が前に出過ぎていると姿勢が悪く見えます。腕の位置が変わるだけでも全体の印象が変わってくるため、いちばん格好よく見える位置を何度か試してみるとよいでしょう。
6. 弓、太刀を飾る
向かって左に弓、右に太刀を置くのが弓と太刀の正しい置き方です。太刀は柄を下にして飾ります。これで、完成です。
五月人形の基本・兜飾りの飾り方(組み立て方)
兜飾りは、頭部部分のみですので、飾り方もとても簡単です。安定した平らな場所を選び、以下の手順に従って飾ります。
1.櫃の上に芯木を載せる
まずは、櫃の中から兜、鍬形、芯木などを取り出します。そして、櫃の上に、芯木をバランスよく載せます。
2. 袱紗(ふくさ)を芯木にかぶせる
芯木の上に袱紗(ふくさ)を一方の角が前に垂れるようにかぶせます。袱紗の角が櫃の全面に垂れすぎないようバランスを調整しましょう。
3. 兜に鍬形、竜頭を差込み、芯木に載せる
兜に鍬形、竜頭を差込み、袱紗をかぶせた芯木の上に載せます。種類によっては、竜頭のない鍬形のみのタイプもあります。このとき、鍬形の左右を間違えないように注意しましょう。
4. 全体のバランスを整える
兜が左右に傾いたりしないように、全体のバランスを整えます。
5. 弓、太刀を飾る
向かって左に弓、右に太刀を置き、太刀は柄を下向きにして飾ります。これで、完成です。
飾る際の注意点
飾る場所を決め、その場所で組み立てるようにしましょう。特に鎧飾りは、組み立ててから移動すると飾りが倒れ、怪我をしてしまう恐れがあるため、注意が必要です。また、五月人形には金属部品が多く使われているため、指の脂分や汗(塩分)が原因でサビが発生する場合があります。五月人形を飾る際は、手袋を着用するか、きれいな布や紙をあてて扱いましょう。初節句の頃は、赤ちゃんの誤飲にも気を付けなければなりません。小さな部品は、手の届かない場所で扱うなど十分に配慮します。なお、飾っている間には、羽根ばたきを軽くかけ、ホコリがたまらないようにしましょう。
ここで紹介したほかにも、五月人形のそばに粽(ちまき)や瓶子(へいし)、柏餅(かしわ)を並べる場合もあります。ご家庭や地域によって飾る順番や場所が異なりますので、ご家族や年輩の方に教えてもらいながら飾るのもよいでしょう。飾り方を忘れてしまいそうで心配な方は、一度飾ったものを写真に撮り、次の年飾るときに参考にしてみてはいかがでしょうか。
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